1.宇宙の何処から
地球外からやってくる物質には、小惑星からのものと、海王星より遠くの彗星やダスト(オールトの雲)から来るものとある。
岩石質の隕石と金属質の隕鉄とは、ほとんどが小惑星から由来すると判明している。そのうち前者が9割強で、後者は1割以下であるようである。
つまり玖珂隕石は小惑星ゾーンで、太陽の周りを公転していた小天体だったのが、なんらかの原因で地球の引力に捉えられたとみなされる。
2. 小惑星とは
第4惑星の火星とその外側の木星との間はかなり間隔がある。火星が2億キロ強、木星が8億キロくらいの半径で、公転している。その間は空虚ではなく、セレスという月の百分の1体重のものなど、千を越える小天体が散らばっている。
太陽系外から観測すれば、土星の環のように、太陽の輪とみなされるであろう。これら無数の小天体をまとめて小惑星とよんでいる。
3. 惑星の成因
惑星には地球型と木星型とあり、前者は岩石と鉄が、後者はガス・氷が主体である。40億年以上前頃、原始太陽系星雲というものが、原始太陽を球状に取り巻いていた。その星雲にはガスや氷のほか、微量の石や鉄の塵が含まれていた。収縮しながら回転しているうち、円盤状に変形したが、その赤道面に固体成分が集積した。
この薄い板状のものが、やがて破砕してサイコロのようなものと化した。それらがまた衝突・合併で小山程度になったのが微惑星で、このなかでさらに合併・拡大して、原始惑星となるものが出現した。
現在の惑星はその原始惑星が周囲の微惑星などを、引力で吸い込んでより大きくなったものである。小惑星ゾーンには、原始惑星以上に成長するものがなかった。
4. 小惑星の成因
小惑星エリアには、セレスのような原始惑星段階のもの、微惑星段階のもの、円盤破砕物段階のものなどが、混在している。このなかには原始惑星同士の衝突の破片とみなされるものもある。 5億年前頃、このあたりで大衝突があったという研究報告もある。
太陽系形成の初期の物体であるコンドライト隕石などが、円盤破砕物として残され、多量に漂っているらしい。
5. 隕石と小惑星の関係
隕石には種類があり、粟おこし状(球粒)のコンドライト隕石・非コンドライト隕石・隕鉄・石鉄隕石などがある。コンドライトは太陽系円盤の破砕物そのものとみなされ、地球上に飛来するものの多数派である。円盤破砕物のうちには、鉄質のものもあるが、溶融をへていないものには、組織がみられない。
6. 玖珂隕鉄と小惑星
玖珂隕石は鉄を主成分とし、ニッケルをかなり含んだ隕鉄である。それを切断したり、酸で処理した面には、ウイドウマン・ステッテン組織がみられ、典型的で評価が高い。
この模様は百万年で数度という、ごくゆっくりした冷却でないと、形成されない。したがって、かなりの大きさの天体の中心部と思われる。 玖珂隕石は小惑星エリアでおこった、原始惑星同士の衝突事故で生じた破片、と推理される。
小惑星には20余りの族というグループがみられる。同じ族は、もと同一の母天体から壊れて生じた、微小天体とみなされている。玖珂隕石もそのような微小天体であったのであろう。 4億8千万年前に、小惑星帯で原始惑星同士と思われる衝突があった、という研究報告があるそうだ。
地球軌道を横切るような、いびつな軌道の小惑星群として、アテン・アポロ・アモール群が知られている。これらの中から、隕石として地球に突入する物体が出現する。稀には直径がキロサイズの天体が、地表に激突して気候激変などの災難を起こす。恐竜に引導を渡す引き金となった天体もそうである。